「旧耐震基準」と「新耐震基準」は何年からか|2000年基準との違いや耐震基準の確認方法も紹介
「旧耐震基準と新耐震基準は何年から?」と疑問を持つ方は多くいらっしゃいます。
耐震基準は住宅の安全性に関わる重要な指標なので、ご自宅がどの基準に当てはまるか把握しておくことが大切です。
今回は、全国で74,404件以上のリフォーム実績がある土屋ホームトピアが、「旧耐震基準」と「新耐震基準」は何年からかをご紹介します。
このコラムのポイント |
---|
|
この記事を読むと、ご自宅の安全性を把握するヒントを得られるので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
「旧耐震基準」と「新耐震基準」は何年からか
「旧耐震基準」と「新耐震基準」の判断は建物の建築確認の日付によって異なり、詳細は以下のとおりです。
種類 | 年月日 |
---|---|
旧耐震基準 | 建築確認の申請日が1981年(昭和56年)5月31日以前 |
新耐震基準 | 建築確認の申請日が1981年(昭和56年)6月1日以降 |
「建築確認」とは、住宅を新築・一定規模以上の増改築をする際に、設計図などを専門機関に提出して「施工内容が建築基準法などの法令に適合するか」の確認を受けるための申請を指します。
旧耐震基準は1978年の宮城県沖地震を契機として大幅に改正され、1981年に新耐震基準が施行された経緯があります。
耐震リフォームをお考えの方は、土屋ホームトピアにお問い合わせください。
無料の建物診断・耐震診断を実施したうえで、最適なプランをご提案いたします。
※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心ください。
※全国各地に拠点がございます。
「耐震基準」とは
「耐震基準」とは、建築基準法で定められた建築する建物が最低限満たすべき地震への耐性基準です。
耐震基準は建物だけではなく、建物内の人命を守ることを目的としています。
過去の大きな災害時に耐震基準の見直しがされており、変遷は以下のとおりです。
西暦 | 内容 |
---|---|
1950年 | 建築基準法の制定にともない、旧耐震基準が定められる |
1968年 | 十勝沖地震(震度5)が発生する |
1971年 | 鉄筋コンクリート造のせん断補強基準が強化される |
1978年 | 宮城県沖地震(震度5)が発生 |
1981年 | 新耐震基準が定められる |
1995年 | 阪神・淡路大震災(震度7)が発生 |
2000年 | 2000年基準が定められる |
それぞれの耐震基準の概要については、次の章で解説します。
「旧耐震基準」「新耐震基準」「2000年基準」の違い
ここでは、「旧耐震基準」「新耐震基準」「2000年基準」の違いを解説します。
旧耐震基準とは
「旧耐震基準」とは震度5強程度の揺れでも建物がただちに倒壊せず、建物が破損しても補修によって生活ができる構造基準のことです。
旧耐震基準は、建築確認の申請日が1981年(昭和56年)5月31日以前の建物に適用されていました。
具体的には、建物自重の20%の地震力を加えた際に、構造部材に生じる応力※が構造材料の許容応用力以下かどうかで、判断されます。
※「応力」とは、部材に生じる単位面積(1 m㎡)あたりに作用する力のことです。
築年数でいうと、築40年以上の住宅は旧耐震基準に分類される可能性があります。
築40年〜50年以上の木造住宅に耐震補強をする費用を、こちらの記事でご紹介しています。
〈関連ページ〉築40年〜50年以上の木造住宅に耐震補強をする費用|リノベーション事例から費用・工事内容を紹介
新耐震基準とは
「新耐震基準」とは、震度6強〜7程度の大規模地震でも建物がただちに倒壊しない構造基準のことです。
新耐震基準は、建築確認の申請日が1981年(昭和56年)6月1日以降の建物に適用されています。
新耐震基準の条件は、以下のとおりです。
- 地震力が加えられた際の構造部材に生じる応力が許容応力以下である
- 建物が一定以上の規模の場合は、靱性(粘り強さ)を確保する
旧耐震基準が震度5強程度を水準にしているのに対して、新耐震基準は震度6強〜7程度と高いレベルを水準にしています。
2000年基準とは
「2000年基準(新・新耐震基準)」とは、新耐震基準をさらに強化した耐震基準のことで、改正の内容は木造住宅に特化しています。
2000年基準が適用されているのは、建築確認の申請日が2000年(平成12年)6月1日以降の建物です。
2000年基準は新耐震基準の条件に加えて、以下をクリアする必要があります。
- 地盤に応じた基礎の設計をする
- 接合部に金物を取り付ける
- バランスよく耐力壁※を配置する
※「耐力壁」とは、垂直・水平方向の力に抵抗して建物を支える壁のことで、柱と柱の間に筋交いを入れた壁などを指します。
なお、2000年基準は木造住宅の現行の耐震基準で、マンションの場合は基本的に関係ありません。
旧耐震・新耐震・2000年基準の見分け方について、こちらの記事で解説しています。
〈関連ページ〉耐震基準は築年数で確認|旧耐震・新耐震・2000年基準の違い、2022年税制改正後の住宅ローン控除など解説
耐震基準の確認方法
耐震基準の確認方法を、以下のケースに分けて解説します。
- 戸建ての場合
- マンションの場合
ご自宅の建物の種類に合わせて、チェックしましょう。
戸建ての場合
戸建ての耐震基準は、「建築確認済証(建築確認通知書)」の建築確認の申請日で判断します。
【建築確認済証】
「建築確認済証」とは、着工前に建築物の建築計画が建築基準法などの法令に適合していると確認された場合に交付される証明書類のことです。1999年以前には、「建築確認通知書」と呼ばれていました。
また、工事の完了検査後に発行される「検査済証」にも、建築確認の申請日が記載されています。
建築確認済証は住宅の引渡時に受け取る大量の書類のなかに含まれているケースがあるので、忘れず確認しましょう。
建築確認済証が見つからない場合、お住まいの自治体で「建築計画概要書」や「台帳記載事項証明書」を発行すると、建築確認通知書が受理された日付けを調べられます。
木造住宅の耐震補強を、こちらの記事で解説しています。
〈関連ページ〉耐震補強〜木造住宅編〜|住みながら工事できるか、工事の方法、事例&費用、補助金など解説
マンションの場合
中古マンションの購入前に耐震基準を確認したい場合には、仲介する不動産会社に依頼すると建築確認の申請日を把握できます。
中古マンションの購入前には、建築確認の申請日とあわせて以下をチェックしましょう。
- 耐震補強工事の履歴
- 修繕計画の内容
- 非常階段やエレベーターの管理状況
購入候補のマンションが新耐震基準であっても、「大規模修繕」が計画どおりに実施されていない場合は、劣化が進んでいる可能性があるため注意が必要です。
耐震リフォームをお考えの方は、土屋ホームトピアにお問い合わせください。
土屋ホームトピアは、リノベーション・リフォーム前に無料で建物診断・耐震診断を実施しております。
※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心ください。
※全国各地に拠点がございます。
「耐震基準」と「耐震等級」の違い
「耐震基準」「耐震等級」は、言葉が似ていますが内容が違います。
- 耐震基準:建築基準法で定められた建物が最低限満たすべき地震への耐性基準で、必ず守る必要がある。
- 耐震等級:品確法によって制定された地震に対する建物の強度を示す指標で、耐震等級1以上となる設計であればOK
耐震等級は3段階に分かれていて、数字が大きくなるほど建物の耐震性が高いことをあらわしています。
耐震等級 | 内容 |
---|---|
耐震等級1 | 建築基準法に定められた最低限の耐震性能をクリアしている |
耐震等級2 | 耐震等級1の1.25倍の耐震強度がある |
耐震等級3 | 耐震等級1の1.5倍の耐震強度がある |
建築基準法を満たす建物は必然的に耐震等級1をクリアすることになりますが、耐震等級2・3の取得は任意です。
耐震基準を満たしていない建物はどうなるか
耐震基準を満たしていない建物は、以下のようなトラブルが発生するケースがあります。
- 大地震で倒壊・崩壊する危険性がある
- 地震保険料の割高などの優遇制度を受けられない
- 築年数が古い住宅は劣化箇所が多く地震被害を受けやすいため、改修費用がかさみやすい
ただし、耐震基準をクリアした建物でも、住宅内部で劣化が進んでいる場合もあるため、耐震基準のみで住宅の安全性を判断するのは避けましょう。
リフォーム業者による建物診断・耐震診断を受けて建物の状態を把握し、リフォーム計画を立てるのがおすすめです。
住宅の耐震リフォームについて、こちらの動画で解説しています。
耐震リフォームをお考えの方は、土屋ホームトピアにお問い合わせください。
無料の耐震診断・建物診断を実施し、ご予算・ご要望に沿う耐震補強プランを提案いたします。
※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心ください。
※全国各地に拠点がございます。
まとめ
建築確認の申請日が1981年(昭和56年)5月31日以前の住宅は「旧耐震基準」、同年の6月1日以降の住宅は「新耐震基準」で建築されています。
建築確認済証(建築確認通知書)などから建築確認の申請日をチェックすると、住宅の耐震基準を判断できます。
今回ご紹介した内容を、耐震基準を判断する際の参考としていただけると幸いです。