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2017-12-29

古民家のリビングは暗い? 日当たりをよくして明るくするには?

土屋ホームトピア まちづくり再生課の髙宮です。

私が所属するまちづくり再生課は、会津・京都・小樽等の町屋や歴史的建造物、岩手や宮城、福島の古民家の再生を行っています。
将来的にはランドマークとなる歴史的建物を中核として、その周辺の町並み再生もおこない、地域の活性化プロジェクトを担うことを目的としています。

今後、ブログを通じて、「 住み続けることができる古民家 」 の情報を発信して行ければと思っております。

目次

  1. 寒冷地の古民家、町屋の共通した悩み
  2. 古民家のリビング(居間)はなぜ暗い?
  3. 間取りを変えないと日当たりは良くならない?
  4. アイディア次第で可能性は無限

1:寒冷地の古民家、町屋の共通した悩み

私達、土屋グループで最も古民家の再生事例の多いのが会津を中心とした福島県です。
お客様の今のお家( 特に古民家 ) での不満点を伺うと次のような共通点があります。

■ とにかく、冬は寒い
■ リビング(居間)の日当たりが悪くて、電気をつけないと暮らせない
■ 間取りが使いにくい

「 住んでいない人は素敵な古民家ですね、と言ってくれるが、住んでいる当人にとっては、寒いし使いにくいし、とても暮らせたものでない・・・ 」というお話しもよく聞きます。
家は住み続けなければあっと言う間に痛みが進みますし、使うからこそ価値があるものです。
快適でないから住み続けられないというのは解決しなくてはならない課題です。

今回はその中で、「 日当たりの改善例 」 に絞ってお話しさせて頂きます。

2:古民家のリビング(居間)はなぜ暗い?

古民家で多い間取りは、「 田の字平面 」。
つまり「 続き間 」です。
部屋と部屋が障子や襖でしか区切られていないため、プライバシーの確保も難しい間取りです。
もう1つ問題なのが日当たりの悪さです。
南側に玄関や縁側があったり、お家の中心に居間(リビング)があったりして、窓が十分に取れていないと言ったお家も多いようです。
今回の事例も南に玄関、東に仏間、西に倉庫と浴室、北には台所があって、家族が集まる居間には外と直接通じる窓がなかった事例です。

3:間取りを変えないと日当たりは良くならない?

お家全体をイノベーションして間取り自体を変えて、居間を南向きの位置に持っていくことがてっとり早いと思いますが、そうすると相当大きな規模の改修になってしまいます。
特に今回は「 LDKと玄関の改修だけでこの問題を解決して欲しい 」 という依頼でした。
最も簡単だったのは、トップライト(天窓)を付けることですが雪の多い山都町のお客様のため、トップライトでは積雪時に破損等のトラブル発生のリスクも考えられました。

そこで、立地の緯度と経度から、太陽の動き、南中高度、夏至と冬至の日の出と日の入りの方角、採光入射角度を計算し、玄関からの反射光を最大限利用する方法を考案しました。
床と壁に反射性の高い素材を採用して、天井の傾斜の角度も、最も乱反射に適した角度を計算して割り出し、リビングの奥まで太陽の光が届くよう設計しております。

また、玄関は夏場、開けっ放しにしても来客の視線がカットでき、プライバシーが確保しつつ、風通しと日当たりを改善できるよう、雪見/月見障子型( 上下が稼働できるタイプ ) の建具を設計しております。

結果、大きな間取りの変更をせずに、また限られた工事範囲の中で問題を解決できました。
実際に照度計( 明るさを測る測定器 ) で計測したところ、リフォーム前にくらべて平均で51%、照度を向上させることができました。

4:アイディア次第で可能性は無限

今回は大きく間取りを変えることなく、パッシブデザイン( 自然のエネルギーをデザインに積極的に利用していく手法 ) 的な発想を取り入れて問題点を解決しました。
アイディア次第では日当たりだけでなく、風通しや寒さも改善できます。
古民家/町屋再生の可能性はまだまだ無限です。

(第24回 全国大会ジェルコリフォームデザインコンテスト【 リビングダイニング部門 最優秀賞 】授賞作品)
 ※平成30年1月に事例公開予定

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