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札幌西支店
2017-12-27

冬将軍との知恵比べ:北海道の屋根編

こんにちは、土屋ホームトピア札幌西支店の支店長、中田正信です。
近年は温暖化の影響でしょうか、札幌でもクリスマスに積雪がない年も珍しくはありません。
しかし、今年は11月に寒波が襲来し、一気に真冬となりました。
銀色の雪景色は北海道の魅力のひとつではありますが、そこで暮らす私達にとっては手放しで喜べるものではありません。

さて、今回は北国のリフォームで一番悩ましい『雪』問題についての解決策を実例を交えてご紹介させていただきます。

目次

  1. 雪に対する様々な悩み
  2. 落雪と屋根との関係
  3. 解決策Case-Ⅰ『 無落雪板金・無落雪瓦 』
  4. 解決策Case-Ⅱ『 雪庇(せっぴ)切り 』
  5. 解決策Case-Ⅲ『 雁木(がんぎ)』
  6. まとめ

1:雪に対する様々な悩み

北国のリフォームでご相談の多いことのひとつに、雪処理の問題があります。
そこで、お客様から多く寄せられる雪のお悩みをご紹介いたします。

①屋根からの落雪が隣家の敷地に落ちてしまい苦情を言われた。
②屋根からの落雪で隣家の物置や窓ガラスを破損させてしまった。
③人が通行するところへの落雪が危険。
④屋根からの落雪で窓が塞がらないように除雪するのが大変。
⑤高齢になり、道路までの除雪が年々負担になってきている。
⑥ロードヒーティングや融雪槽などのランニングコストを軽減したい。
最近では高齢化が一段と進み、年金暮らしの方も多くなっており、⑤や⑥のご相談が多くなってきております。

2:落雪と屋根との関係

北海道の住宅の屋根形状は、下記の3つに分類されます。

勾配屋根

スノーダクト

フラットルーフ

そもそも屋根は勾配屋根が基本で、屋根に雪を載せないことが住宅を長持ちさせると考えられてきました。
しかし落雪させるためには、落ちた雪を置いておく堆雪スペースを確保する必要があります。
しかしながら、北海道も都市化が進み、広い敷地を確保することが困難となり、堆雪スペースを充分に確保できなくなってきました。
そこで開発されたのがスノーダクトやフラットルーフという無落雪屋根です。
この屋根形状の誕生で誰もがこの問題にピリオドが打たれると確信しておりましたが、そこで新たな問題が発生いたします。

それが『 雪庇(せっぴ) 』です。

屋根の雪が落ちないことにより、その雪が偏西風の影響を受けて庇のように迫り出し、落下するという事態が発生いたします。
このように人と自然との知恵比べが続いていますが、近年はその対処方法も確立してきています。

3:解決策Case-Ⅰ『 無落雪板金・無落雪瓦 』

屋根を落雪タイプから無落雪タイプに変更するためには、一般的には既存屋根を解体し、新しく無落雪屋根に造り替える必要があります。
しかし、そのためには工事も大掛かりなものとなり、費用もかなり膨らんでしまいます。
そこで屋根の形を変えずに無落雪にすることができる『 無落雪板金 』 や『 無落雪瓦 』 が開発されました。
つららの対処等の検討事項も必要ですが、コストを抑えながら無落雪屋根にすることができるようになりました。
実際の施工例がこちらです。

無落雪板金(対比写真左側)                

無落雪瓦

4:解決策Case-Ⅱ『 雪庇(せっぴ)切り 』

無落雪屋根にすることで起こる新たな問題である雪庇。
一番の問題点は、落下する雪が凍ったりしていて、非常に重たいということです。
それならば、凍る前の軽い雪のうちに落とせばいいと、逆転の発想から生まれたのが『 雪庇切り 』です。
板金などの金属の先を刃物のように尖らせることで、雪自身の重みで軽いうちに落雪させてしまいます。
そのため雪庇が迫り出すことがなくなり、重たい雪が落雪することがなくなります。
実際の施工例がこちらです。

5:解決策Case-Ⅲ『 雁木(がんぎ)』

雁木とは、東北地方に古くからある商店街の軒先に庇を張出し、その下を歩道としたものです。
採光や通風を多少犠牲にしても、お客様の通行の便をはかり、積雪時にも営業できるようにしたもので、新潟県上越市のものが有名です。
その雁木を住宅に応用し、除雪の肉体的負担やランニングコストの軽減に利用されるようになりました。
この雁木のおかげで、雪が降っても気軽に外出できるようになり、家に閉じ籠りがちだった冬の生活が一変いたします。
実際の施工例がこちらです。

6:まとめ

北国のリフォーム専門会社として、お客様の雪の問題に真剣に向き合う内に、様々なノウハウが蓄積されてきました。
一年の半分近くを雪と共に暮らす北国だからこそ、憂鬱な存在として捉えるのではなく、共存できる方法を一緒に考えてみませんか?
リフォームのプロが、あなたの快適なウィンターライフをご提案いたします。

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