旧耐震のマンションが地震で倒壊するリスク|阪神淡路大震災などの事例、倒壊後ローンはどうなるなど解説

高田 雄介

土屋ホームトピア 札幌中央支店
店長 高田 雄介

古い中古マンション|旧耐震のマンションが地震で倒壊するリスク|阪神淡路大震災などの事例、倒壊後ローンはどうなるなど解説

日本において、地震は他の災害と同様に常にリスクとして認識されており、特に旧耐震基準に基づいて建てられたマンションや建物への懸念が高まっています。

そのため倒壊するリスクから、敬遠する方も多いかもしれません。

ですが旧耐震基準に基づいて建築されたマンションには、このようなデメリットだけでなく、購入価格が抑えられる、好立地の物件から選択できるなどのメリットもあります。

そこで今回は全国で数多くの耐震リフォーム実績を持つ土屋ホームトピアが、旧耐震基準のマンションについて以下の項目をわかりやすく解説します。

 

このコラムのポイント
  • 旧耐震の中古マンションの倒壊リスク、過去の震災被害事例を解説します
  • マンション倒壊時の住宅ローン問題について解説します
  • 旧耐震の中古マンションを選ぶメリット・デメリットをご紹介します
  • 旧耐震の中古マンションの選び方、5つのチェックポイントをご紹介します
  • 「住宅ローン控除」など各種優遇制度を利用できるかについて解説します

 

旧耐震マンションをリフォームすることで安心して住み続けられるのか、地震による倒壊後のローンはどうなるのかなど、旧耐震マンションを購入して理想の暮らしを実現させたい方に役立つ記事ですので、ぜひ最後までご覧ください。

 

旧耐震のマンションが地震で倒壊するリスク

旧耐震のマンションが地震で倒壊するリスク|阪神淡路大震災の被災地

日本ではこれまでも、平成7年の阪神・淡路大震災、平成16年の新潟県中越地震、平成23年の東日本大震災、平成28年の熊本地震、令和6年能登半島地震と大きな地震が何度も起こっています。

また、将来の発生が懸念されている南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震などの大規模地震への関心も高まっています。

さまざまな地震の被害のなかでも、特に気になるのは建物の倒壊ではないでしょうか。

建築基準法に定める耐震基準が強化された「新耐震基準」より前の、昭和56年以前に建築された「旧耐震基準」の建物は、耐震性能が劣っている可能性があると指摘されています。

具体的には、昭和56年5月31日以前に着工された旧耐震基準のマンションは、適切な耐震工事が行われていない可能性があります。購入を検討中の方は、倒壊するリスクも視野に入れ、慎重に調べましょう。

〈出典〉国土交通省ウェブサイト マンション建替え等・改修について「マンション耐震化マニュアル」 

 

阪神淡路大震災・東日本大震災・熊本地震の被害事例

平成7年1月17 日に起こった阪神・淡路大震災は「直下型地震」であり甚大な被害を及ぼしました。

また、マンションについては、122棟の分譲マンションが建て替えや大規模補修を必要とする大きな被害が報告されています。

明治以降の大震災のなかでも大きな被害をもたらした東日本大震災は「海溝型地震」であり、東北6県のマンションでは建て替えが必要なものはなかったものの、大規模な補修や修繕を必要とする程度の被害が26棟ありました。

平成28年4月に発生した熊本地震は、新耐震基準・旧耐震基準合わせて、19棟のマンションに全壊の被害がありました。

特にこの地震による揺れが強かった地域の分譲マンションが被災しています。

 

令和6年能登半島地震(石川県能登地方の地震活動)の被害事例

能登半島地震によって、石川県内で被害が確認された住宅の数は2024年2月21日午後2時時点で7万5000棟余りでした。

同地震によって、富山県内でも1万棟以上の建物の被害が出ています。

そのなかでも多くの被害が出た石川県輪島市では、「耐震不足」が1つの要因となり、家屋の倒壊が相次いでいます。

 

旧耐震のマンションを耐震診断した事例

旧耐震のマンションを耐震診断することは、建物の安全性を確認するための重要な役割を果たします。

例えば、東京都の分譲マンション(旧耐震マンション)は、耐震診断の結果、震度6~7の地震が起きた場合に、倒壊や崩壊する危険性があると診断されました。

これを受けて耐震工事が必要な箇所を精査し、必要な部分に補強工事を行ったことで安全な生活環境を確保することができました。

旧耐震のマンションが地震で倒壊するリスク|阪神淡路大震災などの事例、倒壊後ローンはどうなるなど解説

 

〈出典〉国土交通省ウェブサイト  第27回建築物等事故・災害対策部会 配布資料「資料2 建築物の耐震化の現状等について」 

 

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旧耐震のマンションが地震で倒壊・損傷したらどうなる|住宅ローンなど

住宅ローン

旧耐震マンションを購入しても、万一地震などの災害で倒壊・損傷した場合が不安、という方は多いことでしょう。

ここでは、住宅ローンは免除されるのか、救済措置はあるのかなど災害後の費用面の負担について解説します。

マンション倒壊時の住宅ローン

マンションが地震によって倒壊した場合、建物に対する保険に加入していれば保険金により住宅ローンの残債をカバーできる場合もありますが、基本的には住宅ローンはそのまま残ると考えておきましょう

さまざまな救済措置、政府による再建支援策はありますが、新しい住宅をローンで取得する場合は、二重ローンとなります。

ただし、住宅ローンは建物が倒壊しても継続しますが、地震保険や住宅ローン特約などによって一部、または全額が保証される可能性はあります。

また、給付金によって返済の一部が免除され、負担軽減する場合もあります。

いずれにしても、基本的には分譲マンションが倒壊しても、住宅ローンは免除されないということを念頭に置いておきましょう。

 

共用部損傷時の修繕費用

共用部が地震などで損傷した場合、修繕費用は通常、管理組合が負担することが多くなっています。具体的な修繕費用は損傷の程度や修復方法によって異なりますが、大規模な損傷の場合は莫大な費用がかかります。

修繕費用は一般的には管理組合費などから支払われますが、不足する場合には追加の負担が必要となることもあります。

 

専有部損傷時の修繕費用

専有部が地震などで損傷した場合、修繕費用は自己責任で各所有者が負担するのが一般的です。

修繕積立金は、基本的にマンション共用部のために積み立てられており、専有部分には使用することができません。

ただし、所有者が地震保険などに加入していれば、一部が補償されることもあります。

 

旧耐震の中古マンションに不動産としての価値はあるのか

古い中古マンション

旧耐震の中古マンションには、不動産としての価値がある場合もありますが、地域や立地条件、建物の状態、価格などにより異なります。

例えば、旧耐震の中古マンションでも、低価格で改修や補強が可能である場合は、投資や住宅として活用することも考えられます。ただし、耐震性が不十分なことによるリスクについては、慎重に考慮する必要があります。

 

旧耐震の耐震性|新耐震との違い

旧耐震基準で建てられた建物は、1981年5月31日以前の建築基準に基づいて設計されており、地震などの自然災害に対する耐震性が不十分である可能性があります。

一方、新耐震基準で建てられた建物は、1981年6月1日〜2000年5月31日の建築基準に基づいて建てられており、地震による被害を最小限に抑えるように構造が強化されています。

旧耐震のマンションが地震で倒壊するリスク|阪神淡路大震災などの事例、倒壊後ローンはどうなるなど解説

 

旧耐震・新耐震・2000年基準の違いなど、詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

〈関連ページ〉耐震基準は築年数で確認|旧耐震・新耐震・2000年基準の違い、2022年税制改正後の住宅ローン控除など解説

 

旧耐震の中古マンションを選ぶメリット・デメリット

旧耐震マンションの不動産価値を検討するうえで、知っておきたい旧耐震の中古マンションを選ぶメリットとデメリットはこちらです。

 

メリット
  • 新築や新耐震基準で建てられたマンションに比べて、旧耐震の中古マンションは価格が抑えられる傾向がある
  • 旧耐震の中古マンションは、好立地の物件を手に入れやすい場合がある
  • 旧耐震の中古マンションは、リノベーションなどによって価格を抑えながら自分好みの住まいを実現できる場合がある

 

デメリット
  • 旧耐震基準に基づいて建てられた中古マンションは、新耐震基準に比べて耐震性が低い場合があり安全性が懸念される
  • 旧耐震の中古マンションは、経年劣化などにより修繕やメンテナンスのための修繕積立金が上がることがある
  • 旧耐震の中古マンションは、設備や仕様が古く使いづらさを感じたり、リノベーション費用が必要になったりする可能性がある

 

旧耐震の中古マンションを検討する場合は、立地や価格だけでなく安全性や高額な修繕費の可能性、リノベーションの必要性なども視野に入れておきましょう。

旧耐震の中古マンションの選び方|5つのチェックポイント

チェックポイント

続いては、旧耐震の中古マンションを選ぶ際の、5つのチェックポイントを解説します。

1.地盤をチェック

旧耐震の中古マンションを選ぶ際には、地盤調査や地盤改良の有無をチェックします。

地盤の弱さは、建物の安定性や耐震性にかかわるため、慎重に確認する必要があります。

2.修繕積立金の徴収状況をチェック

管理組合が、問題なく修繕積立金を徴収しているかをチェックします。

修繕積立金が不足していると、将来的な修繕費用の負担が増えることも考えられます。

3.過去の修繕歴・修繕計画をチェック

建物の老朽化や将来的な修繕の内容を知っておくためにも、過去の修繕履歴や修繕計画をチェックします。

これは、将来の管理費修繕費用を見積もるうえでの参考になります。

4.管理状況をチェック

管理会社や管理組合の管理状況をチェックします。

管理状況は、共用部の清掃や設備の点検が適切に行われているかなどによって評価することができます。

チェックポイントは、エントランス、廊下、階段、駐車場、駐輪場など共用部の管理状況が目安になります。

マンション内が清潔で安全な環境になっているか、共用部の設備に問題がないか確認しておきましょう。

 

5.「住宅ローン控除」など各種優遇制度を利用できるか

耐震基準適合証明書があれば、旧耐震マンションであっても住宅ローン控除が受けられる場合があります。

旧耐震のマンションが地震で倒壊するリスク|阪神淡路大震災などの事例、倒壊後ローンはどうなるなど解説

 

たとえば、下記のような要件があります。

要件の例
  • 原則、床面積が50㎡以上であること
  • 合計所得金額が2,000万円以下である年に住宅ローン減税が適用
  • ローン残高証明書、登記事項証明書、請負契約書・売買契約書などの必要書類を揃える必要がある

※最新の要件は、国税庁のホームページでご確認ください。

 

ただし、1981年5月31日以前の旧耐震基準に基づく中古マンションの場合は、新耐震基準への適合が必要条件となっており、高額な費用が発生するため耐震基準適合証明書の取得が厳しくなっています。

そのため、住宅ローン控除などの優遇制度を利用するメリットと、旧耐震マンションの立地条件や購入価格のメリットを合わせて検討し、どちらの方が負担減となるのか、メリットが大きいのかを検討し取得されることをおすすめします。

 

土屋ホームトピアは、各種補助金申請が可能なリフォーム会社で申請サポートをしています。お気軽にご相談ください。

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リフォーム減税についてわかりやすく解説した動画です。こちらもご覧ください。

 

 

まとめ

旧耐震の中古マンションは地震で倒壊するリスクがあり、過去の震災事例が示すように、地震による被害が懸念されます。

また、倒壊後に住宅ローンは免除されず保険でカバーするのにも限界があるため、費用負担も含めて慎重に検討する必要があります。

一方で、旧耐震の中古マンションでも耐震性能が高い物件があったり、好立地であったりとメリットもあります。さらに価格が抑えられることで、その分リノベーションに費用を分散させることも可能です。

土屋ホームトピアは、各種補助金申請が可能なリフォーム会社です。旧耐震中古マンションについてご検討されている方は、お気軽にご相談ください。

高田 雄介

高田 雄介土屋ホームトピア 札幌中央支店 店長

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