リフォーム成功のポイント!収納について考えてみる【前編】

「我が家もそろそろリフォームしたいなぁ・・・」と思っていても、いざとなると何をしていいのか分からない。そんな方々のために、設計・プランナーの立場からリフォーム後のお客様の声を交えて、リフォームを成功させるためのポイントをご紹介します。

リフォームをお手伝いさせて頂く際に、現在のお住まいのご不満な点としてよくお聞きするのが「収納スペースが足りない・・・」というお話です。ご家族のライフスタイルの変化や趣味嗜好の変化でモノが増え、どうしても収納スペースが足りなくなってしまいます。今回は、収納に関する注意点やリフォームの際に参考になる収納の実例をご紹介します。

収納スペースと収納するモノを考える

住宅の総床面積に占める収納面積の比率を“収納率”と言います。収納率の目安は一戸建で12~15%程度、マンションで8%以上が望ましいと言われています。

リフォームの際には使い勝手のよい、余裕のある収納を考えてしまうかもしれません。しかし、少し待ってください。現在のお住まいでも十分な収納率があるにも関わらず部屋が片付かない場合は、モノを減らす必要があるかもしれません。
モノを減らして適正な広さの収納スペースを確保することで、そのスペースを他の用途に使うことができます。

大きな納戸(なんど)は、場所を取るような大きなモノを収納するのに便利です。しかし、奥の方にモノを詰め込んだままにしていると、何をしまったのかさえ忘れてしまうことも・・・。納戸は空間の仕切りを工夫して、棚やラックなどを設けてスペースを有効活用しましょう。

また、リフォームの際に“押入れ”を“クローゼット”に変更する場合があります。しかし、通常のクローゼットは奥行きが55cm~70cm程度で、押入れの90cmの奥行きは必要ありません。その場合は、奥の方に棚を設置したり、ハンガーパイプを2本配置して、せっかくのスペースをムダにしないようにしましょう。

ちなみに、和室の押入れは布団をしまうことを想定した幅です。1間(180cm)の押入れを半分だけ残す方もいらっしゃいますが、布団の幅は半間(90cm)以上あるので、キレイには収まらないので注意が必要です。

次に、収納についてリフォームの実例をもとにご紹介します。

リフォーム事例一覧

壁面収納で落ち着いた空間を演出

マンションや壁式鉄筋コンクリート構造の住宅は、内部・外部ともに開口部の大きさを変えることができず、間仕切りの変更にも制限があります。下の実例では、リフォーム前は書棚が壁一面を占有していましたが、障子を用いた飾り棚にしました。

大きくがっしりとした書棚は重厚感があって良いのですが、少し圧迫感を感じる方もいらっしゃいます。そこで、建具に障子と間接照明を用いることで、和の落ち着いた空間を演出しつつ、収納スペースも確保することができました。

ちなみに、壁面収納はインターネットなどの通信販売を利用すると安く手に入れることができますが、既製品を設置する際は地震対策が大切です。大型の壁面収納の場合は、地震の際にかなりの重量となる家具の下敷きになってしまうことも考えられます。十分に注意しましょう。

見せる収納・隠す収納でスッキリ!

対面キッチンのメリットの一つに、キッチンでお料理をしながら家族と会話をしたり、小さなお子様から目を離すことなく、コミュニケーションを保つことができる点があります。しかし、その反面、モノであふれやすいキッチンがダイニングやリビングから丸見えになってしまいます。

和室の客間を設けることが少なくなっている最近の住宅では、突然の来客に慌ててお片付け!という経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

下の実例は、対面キッチンの後ろ側に冷蔵庫を置くスペースと固定式の食器棚を設置して、それらを隠す建具を配置しました。

オープン時 クローズ時

普段は建具を開けっ放しにしておいても、お客様が来た時には建具を閉めてしまえば、慌てることもありません。例えば、冷蔵庫に色々なメモを貼って生活観あふれる状態になっていませんか? 少しの工夫で慌てたり、恥ずかしい思いをしなくて済むかもしれませんよ。また、キッチンの近くにパントリー(食品などを保存する収納庫)を設置すると、モノの整理整頓がさらにしやすくなります。

自宅の玄関がギャラリーに!

下の実例は、お客様用の玄関と家族用の玄関を分けてシューズクロークを設置しました。
玄関は、お住まいの第一印象が決まる大切な場所です。また、風水的にも玄関の散らかったお住まいは運気が逃げると言われています。

リフォーム前 リフォーム後

そこで、玄関にご家族専用の履き替えスペースを設置して、乱雑になりがちな場所を見えないようにする工夫をしました。また、広々とした玄関ホールは来客の多いお客様にとって、ご家族の絵画などを展示するギャラリーにもなっています。

こちらの実例の中では、見せる収納のひとつに“ニッチ”を設けています。ニッチとは、壁面を凹ませた部分を指します。この部分にカウンターを設けて、絵や写真、小物を飾ることで見せる収納になります。また、照明を配置することで、より効果的な演出ができますよ。

今回ご紹介した事例以外の空間でも、それぞれに適した収納の形があるはずです。空間ごとの収納アイデアを知りたい方は、下にあるバナーから「スッキリ快適に暮らす収納アイデア決定版!」をダウンロードして是非ご覧ください。

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