築30年のマンションを買ったら何年住めるか|後悔しない選び方、築古物件のメリット・デメリットを解説

高田 雄介

土屋ホームトピア 札幌中央支店
店長 高田 雄介

築30年以上のマンション

築30年前後のマンションは、価格・立地・面積などが好条件な物件が多いですよね。

でも「買ったらあと何年住める?」という点に不安を感じている方が多いと思います。

結論からお伝えしますと、築30年のマンションを買ったら、あと30年以上住める可能性があります!

今回は築30年・40年といった築古マンションのリフォームを数多く手掛けてきた土屋ホームトピアが、以下の項目を紹介します。

 

このコラムのポイント
  • 「築30年のマンションに30年以上住める」と言える理由を紹介します。
  • 築30年のマンションを買って後悔しないための8つのポイントを、わかりやすく紹介します。
  • 築古マンションのメリット・デメリットも確認しましょう。
  • 築30年以上のマンションをおしゃれにリフォームした事例も紹介します。
  • 買ったマンションの建て替えが決まったらどうなるのかも、確認しましょう。

 

築年数が古い物件を買った後に、後悔しないための情報をわかりやすく解説します。

ぜひ最後までごらんください!

築30年のマンションを買ったら、あと30年以上住める可能性がある

 

冒頭でお伝えしたとおり、築30年のマンションはあと30年以上住める可能性があります

築古の物件でも、長く住める理由を紹介します。

日本の前例ではあと30〜50年住める。計算上はあと90〜120年も可能

日本の過去の例では、マンションの最長使用期間は84年です。

  • 軍艦島の集合住宅:築100年以上(1916年築)。現存しているが40年以上使用されていない。
  • 同潤会アパートの上野下アパートメント:築84年の時点で解体→建て替え
  • 宮益坂ビルディング:築63年の時点で解体→建て替え
  • 四谷コーポラス:築61年の時点で解体→建て替え

この例だけを見ると、築30年のマンションを買った後に30年〜50年は住める可能性がありますね

一方で2013年に国土交通省が公表した鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリートの寿命に関する資料には、以下2点が明記されています。

鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリートを建物の構造体として使用する場合の寿命は...

  • 一般建物は120年
  • 外装仕上げによって延命すれば150年

※規模にもよりますが、一般的なマンションは鉄骨鉄筋コンクリート造or鉄筋コンクリート造です。

〈引用〉国土交通省『「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書取りまとめ後の取組紹介』

 

実際に海外では築100年前後でも使われている鉄筋コンクリート造の建物があります。

  • ニューヨーク「エンパイアステートビル」:築90年以上(1931年築)
  • パリ「フランクリン街の集合住宅」:築110年以上(1903年築)

 

日本の例で紹介したマンションは、現在よりも耐久性が低い建築基準で建築されたものです。

一方で現在の建築基準では、もっと高性能な建物を建築する必要があります

また高性能・高耐久の建材も開発され続けているので、築30年のマンションに住める年数は、さらに長くなると予測できます。

ただし、「使える」と「実際に使い続ける」は別という点に注意が必要です。

  • まだ使える状態であっても、建て替えるケースがある
  • もっと長く使えるはずだったのに、管理や手入れが悪くて早く劣化するケースがある

そのため、「築30年のマンションにあと何年住めるか?」という疑問は、以下のように考えるのがおすすめです!

建て替えまで何年住めるか&快適に何年住めるか

 

次に、建て替え・快適性について心配のない築古マンションを購入するポイントを紹介するので、ぜひチェックして下さい。

築30年のマンションを買わないor買う?後悔しない8つのポイントを紹介

築30年以上のマンション

築30年のマンションがあと何年住めるかは、1棟ごとに違います。

購入を迷うマンションがある場合に、以下8つのポイントを徹底チェックして後悔しない選択をしてください!

※気になる項目のみ確認したい方は、下記の項目をクリックするジャンプできます。

 

管理状況が一番大切。住民から大切にされているマンションを選ぶ

築30年のマンションを選ぶポイント

内見の際には、共用部分の管理状況をチェックして下さい。

また住民のマンションに対する愛着が強ければ、住民で組織する管理組合も「建て替えではなく丁寧に補修・修繕をして長く住めるよう対策しよう」という方向性となるのが一般的です。

そのため築30年のマンション購入後に、すぐ建て替えという可能性が低くなります。

過去の大規模修繕の実施内容が適切かを確認する

築30年のマンションを選ぶポイント

過去の大規模修繕に関する資料を取り寄せて、実施内容が適切かを確認しましょう。

大規模修繕の資料はマンションの購入予定者も閲覧可能で、以下のような方法で取り寄せできます。

  • 管理組合に直接依頼
  • 不動産会社を通して依頼
  • インターネット上で情報公開をしているマンションもある(独自のホームページ等)

また大規模修繕の内容が適切かどうかは、国土交通省が公表している2つの資料と照らし合わせると確認できます。

 

ただし確認内容が多岐に渡るため、可能であれば不動産業者、リフォームをする場合はリフォーム業者にサポートを依頼するのがおすすめです!

 

土屋ホームトピアは、物件探し〜購入・資金計画〜設計・施工〜アフターサービスまでワンストップで対応可能なリフォーム業者です。

築古のマンション購入&リフォーム・リノベーションを検討中の方は、お気軽にお問い合わせ下さい♪

 

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今後の大規模修繕へ向けて計画・修繕積立金が適正かを確認

マンションを大切にしている管理組合であれば、一定のサイクル(5年程度ごと)にマンションの状態を調査し、補修・大規模修繕計画の見直しを予定しています。

また修繕積立金についても、適切な額が積み立てられているかを確認して下さい。

適切な修繕積立金の目安は、以下のとおりです。

修繕積立金の目安
階数 延床面積 積立金の目安
(/㎡・月)
平均額
(/㎡・月)
20階未満 5,000㎡未満 235~430円 335 円
5,000㎡〜 170~320円 252 円
10,000㎡〜 200~330円 271 円
20,000㎡〜 190~325円 255 円
20階以上 240~410円 338 円

〈引用〉国土交通省『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』(要約して土屋ホームトピアが表を作成)

 

修繕積立金の額が適正でない場合は、「住んでから修繕積立金が高くなる」や「補修・修繕工事時に高額な一時金を徴収」が想定できるため、注意が必要です。

1981年6月以降に施工開始したマンションを選ぶ

築30年のマンションを選ぶポイント

そのため耐震強度が気になる場合は、1981年6月以降に施行を開始(工事を開始)したマンションを選ぶのがおすすめです。

「竣工(完成)」ではなく「施工開始」という点がポイントです。間違えないようご注意下さい。

ただし1981年以前に建築されたマンションでも、しっかりしたつくりのマンションがあります。

1981年以前の物件は絶対ダメとは言い切れないため、気に入った物件がある際には、個別に判断が必要です。

リフォームで理想のイメージがあるなら、規約上の制限を確認

築30年のマンションを選ぶポイント

  • 間取りを大きく変更できない
  • 水回りの位置を移動できない
  • 使用建材の指定がある など

そのため、リフォームで理想のイメージがある場合は前もって管理規約を確認しましょう。

 

「理想のイメージを実現できないけど、立地・価格等の条件は気に入っている」という場合は、リフォームのプロにアイディアを求めてください。

土屋ホームトピアのプランナーは、研修・社内コンテストなどによって腕を磨き続けています。

デザイン性が高く、高い快適性を備えたプランを提案いたしますので、お気軽にお問い合わせ下さい!

 

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専門家(ホームインスペクター)に住宅診断を依頼して判断する方法もある

マンション全体の状態に加えて、購入物件単体の状態も確認する必要がありますよね。

築30年のマンションを選ぶポイント

5〜10万円前後の費用が必要ですが、天井裏・床下の配管等を詳しく調査してくれるため、リフォームが必要な箇所も明確になりますよ♪

ちなみに、ホームインスペクターへの依頼費用を支援している自治体もあります

お住まいの自治体に支援制度があるかを、調べてみてください。

売却する可能性も考える

購入した住宅にずっと住み続けるかは、わかりませんよね。

戸建てなら土地のみでも価値がつきますが、マンションは違います。

築30年のマンションを選ぶポイント

過去に取引事例が多く空室が少ないマンションは築年数以外の魅力を持っていることが多く、築30年より古くても売れる可能性があります。

住宅ローン・住宅ローン控除について前もって知っておく

築古マンション購入時には、住宅ローンの借り入れ内容が制限されるケースがあります。(借入期間を短く設定等)

借り入れ内容は金融機関によって違うため、住宅ローンを利用する金融機関に事前相談をするのがおすすめです。

また住宅ローン控除※についても、リフォーム内容によって適用要件が違います

※正式名称「住宅借入金等特別控除」。住宅ローンを利用すると、一定期間にわたって所得税が減税となる制度です。

以前は現在の耐震基準に該当していないと利用できなかったのですが、利用できるようになりました。

〈参考〉国税庁『住宅ローン控除を受ける方へ』

お住まいの地域を管轄する税務署に問い合わせをする等で前もって調べ、どの程度の費用負担軽減が可能かを確認しましょう。

築30年以上の築古物件にはデメリットがあるがメリットも多い

築30年のマンション

紹介してきた築30年のマンションを選ぶポイントをふまえて、築古マンションのメリット・デメリットも紹介します!

 

築古マンションのメリット
  • 好立地でも安い物件が見つかりやすい
  • 価格が下げ止まっているため、再売却時の価格を予測しやすいマンションが多い
  • 専有面積が広い物件が多い
  • 大規模修繕を何度か経験しているため、管理状況がわかりやすい
  • 住民の愛着度もわかりやすい
  • 新築物件よりも固定資産税を抑えられる
築古マンションのデメリット
  • 共用部分の充実度は現在のマンションに劣る(子どものプレイルーム・ジムなどの施設が無い)
  • 5階建て以下ならエレベーターが無いマンションもある
  • 住宅設備・建材が古い場合は快適性が低い(リフォームで解決できます)
  • 適切に管理されていないマンションは劣化が激しい

 

築30年のマンションは、価格面の魅力が大きいですね。

また長く住んでいる住民の方が多い場合は、管理人さんがマンション全体の状況や住民についてよく把握しているケースが多く、購入前にどんなマンションなのかを詳しく確認できます。

築30年マンションのデメリットは解消できる

築30年以上のマンションをリフォームした事例を紹介

次に、築30年以上のマンションをリフォームした事例も一緒に確認しましょう!

すべて土屋ホームトピアがリフォームした事例で、国内最大級のリフォームコンテストで賞を獲得した住宅もありますよ♪

※画像をタップorクリックすると拡大できます。

【築32年】住宅設備・間取りをフルリフォームした事例

はじめに、築32年のマンションをリフォームした事例です。

住宅設備の劣化により結露・カビに悩まされていたマンションをフルリフォームしたことで、快適性が大幅に向上しました。

築30年以上のマンション|リフォーム事例

〈関連ページ〉これからも住むぞ!築32年マンションリフォーム計画

 

結露にお悩みの方、これから購入するマンションの結露が心配な方は、こちらの記事で詳しい対策を確認できます。

〈関連ページ〉二重窓を後付けするリフォーム|効果(結露、断熱、防音など)、費用、補助金など解説

 

ご家族のライフスタイルに合う間取りに変更し、キッチンも大きく動かしています。

玄関〜寝室〜水回り〜LDKに行き止まりが無い回遊動線がおしゃれですね♪

〈関連ページ〉これからも住むぞ!築32年マンションリフォーム計画

 

収納力も大幅にアップしています!

ウォークスルークローゼット・自転車を入れても余裕のある玄関が素敵です。

 

こちらの事例のリフォーム概要は、以下のとおりです。

リフォーム概要
築年数 32年
費用 1,100万円
工事面積 80.04㎡(24.21坪)
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造
世帯人数 4人

 

土屋ホームトピアは、北海道生まれのリフォーム会社です。

独自の技術開発により生み出した北海道仕様の高断熱性能を、全国で提供しております。

結露がなく、1年中快適な室内環境を実現するリフォームをご希望の方は、お気軽にお問い合わせ下さい♪

 

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【築38年】6人家族のコミュニケーションを重視したリフォーム事例

次に、ジェルコリフォームコンテスト2019で子育て支援賞を受賞したリフォーム事例です。

モノがあふれていたLDKが、ご家族が集えるスッキリと明るい空間に変身しました。

〈関連ページ〉子供大好きパパ・ママが考えた、4人の子供たちと暮らす7年間の挑戦

 

明るくておしゃれな天井は、「梁型+間接照明」を取り入れています。

こちらの記事で、マンション特有の梁をおしゃれにする方法を紹介しています。

〈関連ページ〉梁に間接照明を取付けたマンション実例|おしゃれな取付け方法・照明の種類など解説

 

「お子さまが小学校を卒業するまでの期間を大切にしたい」というご希望のもと、ご家族が楽しく安心して過ごせる間取りとなりました。

〈関連ページ〉子供大好きパパ・ママが考えた、4人の子供たちと暮らす7年間の挑戦

 

LDKを広くしてスタディスペースを充実させ、寝室にはロフトを造作してお子さま専用のスペースを確保しています。

〈関連ページ〉子供大好きパパ・ママが考えた、4人の子供たちと暮らす7年間の挑戦

 

こちらの事例のリフォーム概要は、以下のとおりです。

リフォーム概要
築年数 38年
費用 1,400万円
工事面積 74㎡(22.38坪)
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造
世帯人数 6人

 

【築44年】愛着のあるご自宅を再生した事例

最後に、築40年以上のマンションをフルリフォームした事例です。

美しい景色を遮っていた壁を撤去し、キッチンからすがすがしい眺望を楽しめるLDKとなりました。

〈関連ページ〉築44年のマンションの再生と普及効果

 

間取りは変更していませんが、「キッチンを対面式に変更」・「和室の押し入れを撤去して書斎に変更」で、ご夫婦のライフスタイルに寄り添う住宅へと変身しています。

〈関連ページ〉築44年のマンションの再生と普及効果

 

「梁型+間接照明」により、空間全体が華やかですね。

〈関連ページ〉築44年のマンションの再生と普及効果

 

こちらの事例のリフォーム概要は、以下のとおりです。

リフォーム概要
築年数 44年
費用 1,200万円
工事面積 71㎡(21.47坪)
構造 鉄筋コンクリート造
世帯人数 2人

 

土屋ホームトピアには、今回紹介しきれなかった施工事例がたくさんあります。

ぜひごらん下さい!

施工事例

買ったマンションの建て替えが決まったらどうなる?

マンション建て替え

最後に、「築古マンションの購入後に建て替えが決まったらどうなるのか」についても簡単に紹介します。

マンション建て替え時の主な選択肢は、3つです。

  • 現居住者が1,000〜2,000万円を負担して建て替え→再入居(現居住者が新居住者にこの権利を売却してもOK)
  • 面積を広げて建て替え→新居住者から受け取る購入額で建て替え負担を減らすorなくして再入居
  • 敷地を売却→居住者は売却額の分配を受ける→分配金の使い道は自由

マンション建て替えには、全住民の4/5以上の賛成が必要です。

築古マンションの建て替え

まとめ

築30年のマンションにあと何年住めるかをスムーズに判断するための情報を紹介してきました。

コラムのポイントまとめ
  • 築30年のマンションを購入後、30〜50年以上住める可能性が十分にある。
  • 築30年のマンションは1棟ごとに管理状況棟が違う。後悔しないために、8つのポイントを丁寧にチェックするのがおすすめ。
  • 築古マンションならではのデメリットがあるが、「好立地で安い」等のメリットも多い
  • 築30年・40年以上のマンションでも、室内環境を大幅にグレードアップさせておしゃれにリフォームできる。

 

今回紹介した情報を、築30年のマンションを購入する際の参考にして頂けると幸いです♪

 

高田 雄介

高田 雄介土屋ホームトピア 札幌中央支店 店長

私共はリノベーションを通してお客様の人生を豊かにすることを目標しております。
些細な事でも構いません。お気軽にご相談くださいませ。

株式会社土屋ホームトピア(TSUCHIYA HOMETOPIA.CO.,LTD)

戸建て・マンションのリフォーム、リノベーションは土屋ホームトピアにお任せください。
安心のアフターサービス・定期点検と最長 10 年にわたる品質保証でお客様満足度 4.6 達成。
土屋ブランドとして 42 年の歴史、68,000 件以上の実績と確かな提案力と技術力でお客様のリフォームのお手伝いをいたします。建物診断・耐震診断をした上で、プロのプランナーがご提案。全国31拠点の店舗・ショールームでご相談受付中です。補助金セミナー開催中。

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登録資格
  • 一級建築士事務所:北海道知事登録(石)第 1972 号、東京都知事登録 第 61239 号
  • 一般建設業:国土交通大臣許可(般 -30)第 19582 号
  • 宅地建物取引業:国土交通大臣許可(2)第 9304 号
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