耐震補強を外からする方法|費用相場や木造住宅の耐震補強工法一覧、住みながらできるかも解説
「耐震補強を外からする方法を知りたい」と考える方は多くいらっしゃいます。
耐震補強を外からする場合には2種類の方法があるので、それぞれの特徴を押さえておくことが大切です。
今回は、全国で74,404件以上のリフォーム実績がある土屋ホームトピアが、耐震補強を外からする方法を解説します。
このコラムのポイント |
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この記事を読むと、耐震補強を外からする方法がご自身の住宅に合うか判断できるので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
耐震補強を外からする方法
耐震補強を外からする方法は、以下のとおりです。
- 外壁を撤去して補強
- 外壁の外側から補強
- 【外側からの耐震補強ができない場合】内側から補強
なお、耐震補強の方法に関係なく、住宅の弱点を把握して適切なリフォームをするには事前に耐震診断が必要になります。
外壁を撤去して補強
耐震補強を外からする場合には、既存の外壁を一旦撤去し、以下の方法で耐震補強する方法があります。
- 柱や土台などの構造部分の状態を確認し、腐食やひび割れが発生している箇所を補修・交換する
- 必要に応じて筋交いや構造用合板を設置する
- 新たな外壁を張る前に、内部に耐震パネルを取り付ける
外壁を撤去して補強する方法は、構造部分の劣化状況を直にチェックできるため、施工の確実性が高い点が特徴です。
外壁の外側から補強
耐震補強を外からする場合、以下のように外壁の外側から補強する方法もあります。
- 耐震性能を向上させる「外付け耐震補強フレーム・ブレース」を外壁に取り付ける
- 柱と土台・基礎の接合部に耐震補強金物やロープを設置して引き抜けを防止する
外壁の外側から補強する方法は、外壁の撤去・復旧などが必要ないため、工期や費用を抑えやすいのが魅力です。
ただし、外壁を剥がさないことから構造部分の劣化状況を正確に確認できないため、構造躯体の劣化状況を見逃す可能性がある点がネックです。
【外側からの耐震補強ができない場合】内側から補強
外から耐震補強ができない場合は、内壁を撤去して以下の方法で補強する方法もあります。
- 必要に応じて筋交いや構造用合板を用いて補強する
- 構造部分に耐震補強金物を取り付ける
内壁を撤去して補強する方法は、「隣家との距離が近く外壁の耐震補強ができない場合」「敷地内に重機が入れない場合」に最適です。
外壁を撤去して補強する方法と同様に、内壁を撤去する方法も構造部分の劣化状況を直に確認できるので、適切な耐震補強をしやすくなります。
ご自宅の耐震補強をお考えの方は、土屋ホームトピアにお問い合わせください。
無料の建物診断・耐震診断を実施したうえで、最適なプランをご提案いたします。
※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心ください。
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木造住宅の耐震補強工法一覧
ここでは、木造住宅の耐震補強工法一覧を、施工箇所別にご紹介します。
基礎
木造住宅の基礎は、以下の工法で補強します。
- 基礎にひび割れや亀裂がある場合は、専用の注入剤を使って補修する
- 基礎が無筋コンクリートの場合は、格子プレートなどで補強する
無筋コンクリートとは鉄筋が使用されていないコンクリートのことで、強度が低い可能性があります。
1981年6月より前に建てられた住宅に使われているケースがあるため、築年数の古い住宅の場合は適切な対処をリフォーム会社に相談してください。
また上記の工法は一例で、リフォーム業者独自の方法で基礎補強を実施している場合もあります。
屋根
木造住宅の屋根の耐震補強工法は、以下のとおりです。
- 軽量で丈夫な屋根に交換する
- 耐力壁を増やして耐震性を高める
耐力壁とは、垂直・水平方向の力に抵抗して建物を支える壁のことで、柱と柱の間に筋交いを入れた壁などが耐力壁に該当します。
屋根の軽量化・耐力壁の増強で、地震の揺れによる住宅の倒壊・屋根材の落下を予防できるのがメリットです。
接合部
築年数の古い木造住宅の場合、接合部に耐震補強金物を使用していないケースも珍しくなく、地震の揺れで柱が抜ける危険性があります。
木造住宅の接合部における耐震補強の工法は、以下のとおりです。
- 筋交いと柱、筋交いと土台を固定するプレートを取り付ける
- 柱と土台、柱と梁の接合部に耐震補強金物を設置する
耐震補強金物を取り付けている木造住宅でも、台風や強風によって接合部が緩んでいる可能性があるので、リフォーム業者にチェックしてもらいましょう。
壁
住宅の中で「開口部が多い箇所」「面や筋交いがない壁」は強度が低い場合があるので、耐力壁を増やすことで耐震性を高められます。
また、住宅の耐震性をアップするためには、バランスよく耐力壁を配置することも大切です。
床や天井を撤去せずに施工できる「耐震改修パネル」を使用して耐力壁を設置できる場合もあり、手軽にリフォームできる可能性があります。
耐震補強を外からする場合の費用相場
耐震補強を外からする場合の費用相場は、以下のとおりです。
施工内容 | 費用相場 |
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柱を入れ替える | 約10万円/本 |
構造用合板を設置する | 約5万〜20万円/箇所 |
筋交いを入れる | 約5万~25万円/箇所 |
外壁の内部に耐震パネルを取り付ける | 約25万~65万円/箇所 |
外付け耐震補強フレームを設置する | 約150万~200万円/住宅 |
※建築資材、施工地域などによって費用は異なります。詳細な費用につきましては、リフォームを依頼する施工業者にお問い合わせください。
上記に加えて、耐震補強リフォームを実施する際は、耐震診断の費用も踏まえて検討しましょう。
リフォーム業者によっても異なりますが、耐震診断の費用は約10万〜40万円が相場です。
なお、木造住宅の耐震補強費用はトータルで150万円前後が目安とされていますが、基礎補強など大がかりなリフォームを実施すると300万円を超える場合もあります。
築40年〜50年以上の木造住宅に耐震補強をする費用については、こちらの記事で解説しています。
〈関連ページ〉築40年〜50年以上の木造住宅に耐震補強をする費用|リノベーション事例から費用・工事内容を紹介
耐震診断を受けてからリフォームしたいとお考えの方は、土屋ホームトピアにお問い合わせください。
土屋ホームトピアは、リノベーション・リフォーム前に無料で建物診断・耐震診断を実施しております。
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耐震補強を外からする場合は住みながらできるか
耐震補強を外からする場合は、基本的に住みながらリフォームできます。
工事の足場によって日当たりが一時的に悪くなるなど、ストレスを感じるケースもあるので、あらかじめリフォーム業者に相談しましょう。
なお、床の全面張り替えなど耐震補強以外の工事も一緒に実施する場合は、住みながらリフォームするのが難しい可能性もあるため注意してください。
木造住宅の耐震補強を住みながらできるかについて、こちらの記事で解説しています。
〈関連ページ〉耐震補強〜木造住宅編〜|住みながら工事できるか、工事の方法、事例&費用、補助金など解説
耐震補強を外からするメリット・デメリット
耐震補強を外からするメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
耐震補強を外からするメリットは、以下のとおりです。
- 住みながらリフォームできるケースが多く、仮住まいを用意する手間・費用が必要ない
- 外壁の解体・復旧工事が不要で工期が短い
- 柱の間に筋交いを入れる場合、内壁を解体するよりも外壁を解体するほうが費用を抑えられる可能性がある
内壁を撤去して筋交いを入れる方法でも、押入れから補強する場合は費用を抑えられる可能性があるため、リフォーム業者に相談してから決めましょう。
デメリット
耐震補強を外からするデメリットは、以下のとおりです。
- 隣家との距離が近いなど、そもそも外から耐震補強ができない場合がある
- 外壁を撤去しない方法では構造躯体の劣化を直接確認できず、構造躯体自体に問題がある場合は耐震性能が向上しない可能性がある
- 外壁を撤去する方法では、構造躯体に想定以上の劣化が見つかると、追加費用が発生する
耐震補強を外からする方法は、住みながら耐震補強したい方や隣家との距離に余裕がある方に向いています。
耐震補強は意味がないと言われる理由
耐震補強は意味がないと言われる理由は、以下のとおりです。
耐震補強の目的は「大地震発生時に避難の時間を確保すること」であり、目的を勘違いしていると意味がないと感じるケースがあります。
耐震補強後に目に見える効果を実感するのは難しいですが、詳細な工事完了報告書を提出してくれるリフォーム業者を選べば、施工内容を確認することが可能です。
住宅が新耐震基準で建てられている場合にも、劣化が進み耐震性能が損なわれているケースもあるので、建築時の耐震基準のみで耐震補強の必要性を判断するのは避けましょう。
築50年の木造・鉄筋コンクリート建物が地震で倒壊する可能性について、こちらの記事でご紹介しています。
〈関連ページ〉築50年の木造・鉄筋コンクリート建物が地震で倒壊する可能性|耐震補強リフォーム費用など解説
戸建て住宅の地震対策について、こちらの動画で解説しています。
外からの耐震補強を検討している方は、土屋ホームトピアにお問い合わせください。
建物診断や耐震診断を実施したうえで、最適なプランをご提案いたします。
※当社はしつこい営業を一切行っておりません。ご安心ください。
※全国各地に拠点がございます。
まとめ
耐震補強を外からする場合、「外壁を撤去して補強する方法」と「外壁の外側から補強する方法」があります。
隣家との距離が近いなど、ご自宅の状況によっては外から耐震補強ができないケースもあるため、リフォーム業者に相談してから補強方法を決めましょう。
今回ご紹介した内容を、耐震補強を検討する際の参考としていただけると幸いです。