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築115年の京町家を再生した古民家リフォームが、全国最優秀賞を受賞しました
このたび、土屋ホームトピアが手がけた京都市の築115年の京町家リフォームが、ジェルコリフォームコンテスト2025 デザイン部門にて「全国最優秀賞」を受賞いたしました。
今回の受賞事例は、ただ古い住まいを新しくするリフォームではございません。
長い年月を重ねてきた京町家の趣、古建具や梁が持つ味わいを大切にしながら、お客様の「古いものをできる限り活かしたい」という想いを受け継ぎました。
当社の断熱技術により寒さや暗さを改善し、これからも長く快適に暮らせる住まいへと再生した古民家リフォームです。
「古民家に憧れはあるけれど、冬の寒さが心配。」
「京町家の雰囲気は好きだけれど、実際に暮らすには大変そう。」
「築年数の古い家は、建て替えるしかないのではないか。」
そのようなお悩みをお持ちの方に、ぜひご覧いただきたいリフォーム事例です。
はじまりは、京都らしい暮らしへの憧れでした
お施主様はもともと北海道にお住まいでした。
お仕事の関係で京都へ移住され、京都らしい京町家の賃貸住宅で暮らし始められました。
古い建具、落ち着いた佇まい、奥へと続く間取り。
京町家ならではの雰囲気はとても魅力的で、京都で暮らしていることを日々感じられる住まいでした。
一方で、実際に暮らしてみると大きな課題もありました。
1階には外の光が届きにくく、日中でも室内が暗いこと。
断熱性能が十分ではなく、夏は暑く冬は北海道で暮らしていた時よりも寒く感じるほどだったこと。
「京町家の雰囲気は好き。
でも、このままでは快適に暮らし続けることが難しい」
その経験から、お施主様は賃貸住宅で暮らし続けるのではなく、中古の京町家を購入し自分たちらしい住まいへリフォームすることを決意されました。
そして出会われたのが築115年の京町家でした。

古民家リフォームで目指したのは「趣」と「快適性」の両立
お施主様のご要望はとても明確でした。
古いものを可能な限り再利用して京町家の趣を残したい。
でも、寒くて暗い家ではなく、暖かく明るく快適に暮らせる家にしたい。
今回の古民家リフォームで大切にしたのはまさにこの想いです。
古民家や京町家のリフォームでは、古いものを残すだけでは暮らしにくさが残ってしまう。
一方で、すべてを新しくしてしまうと魅力が失われてしまいます。
どの建具を残せるのか。
どこを補修すれば使い続けられるのか。
新しくする部分と古いものをどのように調和させるのか。
断熱性能を高めながら京町家らしい美しさをどう守るのか。
お施主様との打ち合わせを何度も重ねながら、残すもの、変えるもの、これからの暮らしに必要なものを一つひとつ確認し計画を進めていきました。
既存建具・古建具・新調建具を組み合わせた、唯一無二の住まい
今回の古民家リフォームで特に大切にしたのが建具の再利用です。
既存の建具は状態を一枚ずつ確認し、再利用できるものを選びました。
大工さんの協力のもと補修や調整を行い、再び住まいの中で活かせるようにしています。

さらに、足りない部分にはお施主様ご自身が京都や、神奈川県の古建具屋さんで選ばれた建具を取り入れました。
それでも不足する箇所には新しく製作した建具を組み合わせています。
既存の建具。
古建具屋さんで選んだ建具。
新しく製作した建具。
年代も形も異なる建具を違和感なく調和させるためには、配置・高さ・色合い・空間全体の見え方まで細かな調整が必要でした。

ただ古いものを残すのではなく、今の暮らしの中で美しく使いやすく、自然に馴染むように再生する。
それが今回の古民家リフォームの大きな見どころです。
暗かった1階を、光が届く明るい空間へ
お施主様が購入された京町家で特に課題となったのが1階キッチンの暗さでした。

キッチンには窓がなく、日中でも暗さを感じやすい空間でした。
さらに、築年数を重ねた内装の印象や吊戸棚による圧迫感もあり、明るく開放的で使いやすい空間へと改修することが課題となりました。
そこで、1階は家族が集まりやすい空間として再構成。
キッチンには吹き抜けから自然光が届くように計画し、明るさを感じられる場所へと整えました。


また、京都で「おくどさん」とも呼ばれる火袋キッチンの雰囲気も大切にしています。
これは、お施主様が賃貸の京町家で暮らしていた時に、特に気に入っておられた要素の一つでした。
ただ設備を新しくするのではなく、お客様が心地よいと感じていた京町家らしさを新しい暮らしの中にも受け継ぐ。
そうすることで、明るく使いやすいだけでなく京都らしい暮らしの記憶を感じられるキッチンになりました。
水回りは、現代の暮らしに合わせて再設計
築年数の古い京町家では、浴室・洗面・キッチンなどの水回りが現代の暮らしに合わない場合があります。
今回も、限られた間口と奥行きの中でどのように水回りを整えるかが大きな課題でした。
お客様からは、浴室を1216サイズのユニットバスにしたいというご要望がありました。
しかし、ただ浴室を広げるだけでは洗面スペースやキッチン・収納・動線に影響が出てしまいます。
そこで、浴室・洗面・キッチンの配置を何度も検討。
使いやすさや空間の広がり、京町家らしい雰囲気のバランスを取りながらご夫婦にご納得いただけるプランへと仕上げました。


古民家リフォームでは、デザイン性だけでなく毎日の暮らしやすさを整えることも大切です。
今回の住まいでも、歴史ある京町家の趣を残しながら現代の生活に合う水回りへと生まれ変わりました。
和室は小上がりの趣を残しながら、使いやすく
京町家らしさを感じる和室は、町家の雰囲気を大切にしながら日常で使いやすい空間になるよう工夫しました。
小上がりの趣は残しつつ、段差はできるだけ小さく調整。
1階リビング部分では既存の障子を活かし紙を貼り替えたうえで再設置しました。


また、襖にはお客様がお気に入りだった「京からかみ」を襖紙に採用。
和室の間仕切りとして取り入れることで、古い住まいの記憶と京都らしい美しさが感じられる空間になりました。
既存のものを活かし、貼り替え、場所を変え、役割を与え直す。
こうした小さな積み重ねが古民家リフォームならではの奥行きある空間をつくっています。
2階は、丸太梁を活かしたセカンドリビングへ

2階は、お友達やお仕事仲間を招いてみんなで楽しく過ごせるセカンドリビングとして計画しました。
天井は勾配天井にし、築115年の住まいを支えてきた大きな丸太梁は丁寧に塗装してあえて見せるデザインにしています。
古い梁を隠すのではなく空間の主役として活かす。
それにより、2階は京町家の歴史を感じながらも開放感のあるモダンな和の空間へと生まれ変わりました。
古民家リフォームでは、古い構造材がデザインの魅力になることがあります。
今回の丸太梁も、長い年月を重ねた住まいだからこそ生まれるかけがえのない表情を見せてくれています。
断熱改修と気密施工で、古民家の大きな悩みである「寒さ」を改善
今回の古民家リフォームで、デザインと同じくらい重要だったのが断熱改修と気密施工です。
どれだけ美しい空間になっても、寒くて暮らしにくければ本当に快適な住まいとは言えません。
お施主様は、京都へ移住後の賃貸京町家で「冬は北海道より寒い」と感じるほどの寒さを経験されていました。
だからこそ今回のリフォームでは、京町家の趣を残しながら断熱性能をしっかり高めることを重視しました。

主な断熱施工は、以下の通りです。
| 施工場所 | 施工内容 |
|---|---|
| 屋根面 | 吹付断熱/熱抵抗値 4.7㎡・K/W、厚さ100mm施工 |
| 外壁面 | 吹付断熱/熱抵抗値 2.3㎡・K/W、厚さ50mm施工 |
| 床下 | グラスウール/熱抵抗値 2.8㎡・K/W、厚さ105mm施工 |
さらに、2階南側以外の窓は断熱性能のある窓へ交換しました。
そして今回、断熱材を入れるだけでなく壁面には気密シートも丁寧に施工しています。
古民家や京町家は、長い年月の中で生じたすき間や既存の柱・梁との取り合いが多く、気密処理が難しい建物です。

しかし、断熱材の性能をしっかり活かすためにはすき間からの空気の出入りをできるだけ抑えることも大切です。
気密シートを施工することで、室内の暖かさを逃がしにくくし冷暖房効率や室内の快適性にも配慮しました。
屋根・外壁・床下を断熱し、窓の性能を高め、さらに気密にも配慮する。
見た目には隠れてしまう部分ですが、こうした施工の積み重ねが冬の底冷えをやわらげ、長く快適に暮らせる住まいにつながります。
古民家リフォームでは、見た目の美しさに注目が集まりがちです。
しかし、長く快適に住み続けるためには、断熱・気密・耐震・劣化対策など住まいの性能面に向き合うことが欠かせません。
今回の住まいでは、断熱改修と気密施工によって快適性を高めたことで、勾配天井や梁を見せる開放的なデザインも実現しやすくなりました。
性能の向上がデザインの自由度も支えているのです。
解体中に見つかった“穴”を、玄関のミニ石庭へ
今回のリフォームには、現場で生まれた印象的なエピソードもあります。

床の解体時、玄関付近に穴が見つかりました。
通常であれば塞いで終わる部分だったかもしれません。
しかし、その状況をお客様にご報告したところ、
「この穴を使って何かできないでしょうか」
というご要望をいただきました。
水槽にする案。
収納にする案。
植物を入れる案。
さまざまなアイデアを検討した結果、玄関の雰囲気やお手入れのしやすさと実用性を考え、白い砂利を敷いたミニ石庭をつくることにしました。
解体中に見つかった偶然を、ただの補修箇所ではなく住まいの魅力へと変える。
こうした柔軟な発想も古民家リフォームの面白さの一つです。
お客様の声
完成後、お客様から大変嬉しいお言葉をいただきました。
「賃貸から引っ越して、京町家でもこんなに快適な暮らしができるのだと感動しました。
家族にとって一番くつろぐことのできる空間となり、この家を購入して、リフォームしてよかったです。
歴史を刻んだ建具とともに、ゆったりとした人生を楽しみたいと思います。」
古い建具を活かすこと。
断熱性能を高めること。
暮らし方に合わせて間取りを整えること。
一つひとつの工程に手間と技術が必要でしたが、お客様に「リフォームしてよかった」と感じていただけたことは私たちにとって大きな喜びです。
全国最優秀賞につながった、デザインと性能の両立
今回の古民家リフォームが評価された理由は、単に見た目が美しくなったからではありません。
築115年の京町家が持つ歴史や趣を大切にしながら断熱改修によって快適性を高め、既存建具・古建具・新調建具を組み合わせて、唯一無二の住まいとして再生したこと。
つまり、デザインと性能の両立が高く評価されました。
古いものを壊して新しくするのではなく、残せるものを見極めて手を入れ、再び暮らしの中で使えるようにする。
それは、古民家リフォームならではの難しさであり大きな魅力でもあります。
お客様の想いと、丁寧な造作を行った大工さんをはじめとする職人さんたちの技術。
そして、設計・施工に関わったすべての人の想いが重なり、今回の全国最優秀賞につながったのだと感じています。
◆一般社団法人 住宅リフォーム産業協会主催
ジェルコリフォームコンテスト2025
https://www.jerco.or.jp/contest/21018741/
古民家は「壊す」だけが選択肢ではありません
古民家や築年数の古い住まいに対して、
「寒いから住みにくい」
「暗くて使いにくい」
「古いから危ないのでは」
「建て替えるしかないのでは」
と感じている方は少なくありません。
しかし、建物の状態をきちんと見極め、必要な補修や断熱改修を行い、暮らしに合わせて間取りを整えることで古い住まいは新たな価値を持って生まれ変わることがあります。
今回の築115年の京町家も、古い建具や梁を活かしながら断熱性能を高めることで、見た目の美しさだけでなく実際に快適に暮らせる住まいへと再生しました。
古民家リフォームは古さを消す工事ではありません。
その家が積み重ねてきた時間を受け継ぎながら、これからの暮らしに合う形へ整えていく工事です。
全国で古民家リフォームをご検討の方へ
土屋ホームトピアは今回の受賞により、ジェルコリフォームコンテストで14年連続受賞となりました。
これからもデザイン性だけでなく、断熱・耐震・劣化対策などの性能面にも向き合いながら、お客様の暮らしに寄り添ったリフォームをご提案してまいります。
全国で古民家リフォームをご検討中の方、築年数の古い住まいを活かすか建て替えるかでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
- 古民家の雰囲気を残したい
- 既存の建具や梁を活かしたい
- 冬の寒さを改善したい
- 暗い室内を明るくしたい
- 建て替えかリフォームか迷っている
- 築年数の古い家を、長く快適に住めるようにしたい
- 京都らしい京町家の趣を残しながら暮らしやすくしたい
お客様の想いと建物の状態を丁寧に確認しながら、これからの暮らしに合うリフォームをご提案いたします。
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